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実践ワークフロー

AI エージェントと OrcaSlicer MCP Server を組み合わせた、 具体的な使い方のシナリオを紹介します。


目次

  1. 基本の流れ: 探索 → 調整 → スライス → 評価
  2. 印刷品質を試行錯誤で最適化する
  3. 複数のフィラメントを比較する
  4. 設定項目を探索して理解する

シナリオ 1: はじめてのスライス

目的: 手元の STL ファイルをスライスして、印刷時間を確認したい。

ステップ 1 — 環境確認

AI に話しかける:

「環境を確認して」

AI は health_check を実行し、OrcaSlicer とフォルダの状態を報告します。

ステップ 2 — 使えるプロファイルを確認

「使えるプリンターの一覧を見せて」

AI は list_profiles を実行します:

{
  "type": "machine",
  "profiles": ["Bambu Lab X1 Carbon 0.4 nozzle.json", "Prusa MK4.json"]
}

「フィラメント設定は何がある?」

「プロセス設定(印刷品質)の一覧も見せて」

ステップ 3 — スライスを実行

作業フォルダに benchy.stl を置いた状態で:

「benchy.stl を Bambu Lab X1 の設定でスライスして。 フィラメントは PLA Generic、印刷品質は 0.2mm の標準設定で」

AI は slice_model を実行します。

ステップ 4 — 結果を確認

「スライス結果の印刷時間とフィラメント使用量を教えて」

AI は analyze_gcode_metadata を実行し、構造化された結果を返します:

- 推定印刷時間: 1h 23m
- フィラメント使用量: 3.8m (11.4g)
- フィラメントコスト: ¥38
- 総レイヤー数: 150

シナリオ 2: 印刷品質の最適化

目的: インフィル密度を変えて、印刷時間と強度のバランスを探りたい。

ステップ 1 — 現在の設定を確認

「現在のプロセス設定でインフィルに関する項目を全部見せて」

AI は search_settings"infill" を検索します:

- infill_density: 20 (%)
- infill_pattern: grid
- infill_speed: 80 (mm/s)

ステップ 2 — 設定を変更してスライス

「インフィル密度を 40% に変更して、その設定でスライスして」

AI は以下の手順を実行します:

  1. update_profile_setting でインフィル密度を 40% に変更
    • standard_quality_tuned.json として保存される(元ファイルは無傷)
  2. slice_model で変更後の設定を使ってスライス
  3. analyze_gcode_metadata で結果を分析

ステップ 3 — 比較結果を見る

「元の 20% と 40% で、印刷時間とフィラメント使用量を比較して」

AI が両方の結果をまとめてくれます:

インフィル密度の比較:
                    20%         40%
印刷時間:          1h 23m      1h 45m (+22分)
フィラメント:      11.4g       15.2g (+3.8g)

ステップ 4 — さらに追い込む

「インフィルパターンを gyroid に変えたらどうなる?」

「印刷速度を 100mm/s に上げて時間を短縮できない?」

このように、AI と対話しながら設定を少しずつ調整していけます。


シナリオ 3: フィラメント比較

目的: PLA と PETG で同じモデルをスライスして、結果を比較したい。

手順

「PLA と PETG のフィラメントプロファイルを見せて」

「同じ benchy.stl を PLA と PETG でそれぞれスライスして。 出力ファイル名は benchy_pla.gcode と benchy_petg.gcode にして」

「両方の結果を比較して。印刷時間とフィラメント使用量の違いを教えて」

AI は順番にスライスと分析を行い、比較結果を表形式で示します。


シナリオ 4: 設定項目の探索

目的: OrcaSlicer にはどんな設定項目があるのか、AI の力を借りて理解したい。

速度関連の設定を探す

「速度に関する設定を全部探して」

AI は search_settings"speed" を検索し、 すべてのプロファイルから速度関連の設定を抽出します:

プロセス設定 (standard_quality.json):
  - print_speed: 60
  - travel_speed: 120
  - infill_speed: 80
  - wall_speed: 40
  - support_speed: 50
  - ...

設定項目の意味を聞く

「wall_speed と print_speed の違いは何?」

AI は 3D プリンティングの知識を使って説明してくれます。

温度設定を探す

「温度関連の設定をフィラメントプロファイルから探して」

フィラメント設定 (PLA Generic.json):
  - temperature_nozzle: 210
  - temperature_bed: 60
  - temperature_nozzle_first_layer: 215

対話のコツ

曖昧な指示でも大丈夫

AI は search_settings を使って適切な設定キーを見つけてくれるので、 正確なキー名を知らなくても大丈夫です。

  • 「インフィルを増やして」→ AI が infill_density を特定して変更
  • 「もっと速く印刷したい」→ AI が速度関連の設定を探して提案
  • 「ベッドの温度を上げて」→ AI が temperature_bed を特定

元に戻したいとき

設定変更はデフォルトで _tuned コピーに保存されるので、 元の設定はいつでも使えます。

「元の設定に戻してスライスし直して」

AI は元のプロファイル(_tuned がついていないもの)を使ってスライスします。

変更履歴を確認したいとき

「今日の変更履歴を見せて」

作業フォルダ内の tuning_history.log が参照されます。


応用: AI による自律的なチューニングサイクル

このサーバーは、AI が以下のサイクルを自律的に回せるように設計されています:

1. 探索 (search_settings)
   ↓ どんな設定があるか理解する
2. 調整 (update_profile_setting)
   ↓ パラメータを変更する
3. 実行 (slice_model)
   ↓ スライスして G-code を生成する
4. 評価 (analyze_gcode_metadata)
   ↓ 結果を数値で確認する
5. 判断
   ↓ 目標に近づいたか?→ 2 に戻って再調整

例:

「印刷時間を 1 時間以内に収めたい。 品質をなるべく保ちながら、速度やインフィルを自動調整してみて」

AI はこのサイクルを繰り返し、目標に近づく設定を探索してくれます。