AI エージェントと OrcaSlicer MCP Server を組み合わせた、 具体的な使い方のシナリオを紹介します。
目的: 手元の STL ファイルをスライスして、印刷時間を確認したい。
AI に話しかける:
「環境を確認して」
AI は health_check を実行し、OrcaSlicer とフォルダの状態を報告します。
「使えるプリンターの一覧を見せて」
AI は list_profiles を実行します:
{
"type": "machine",
"profiles": ["Bambu Lab X1 Carbon 0.4 nozzle.json", "Prusa MK4.json"]
}「フィラメント設定は何がある?」
「プロセス設定(印刷品質)の一覧も見せて」
作業フォルダに benchy.stl を置いた状態で:
「benchy.stl を Bambu Lab X1 の設定でスライスして。 フィラメントは PLA Generic、印刷品質は 0.2mm の標準設定で」
AI は slice_model を実行します。
「スライス結果の印刷時間とフィラメント使用量を教えて」
AI は analyze_gcode_metadata を実行し、構造化された結果を返します:
- 推定印刷時間: 1h 23m
- フィラメント使用量: 3.8m (11.4g)
- フィラメントコスト: ¥38
- 総レイヤー数: 150
目的: インフィル密度を変えて、印刷時間と強度のバランスを探りたい。
「現在のプロセス設定でインフィルに関する項目を全部見せて」
AI は search_settings で "infill" を検索します:
- infill_density: 20 (%)
- infill_pattern: grid
- infill_speed: 80 (mm/s)
「インフィル密度を 40% に変更して、その設定でスライスして」
AI は以下の手順を実行します:
update_profile_settingでインフィル密度を 40% に変更standard_quality_tuned.jsonとして保存される(元ファイルは無傷)
slice_modelで変更後の設定を使ってスライスanalyze_gcode_metadataで結果を分析
「元の 20% と 40% で、印刷時間とフィラメント使用量を比較して」
AI が両方の結果をまとめてくれます:
インフィル密度の比較:
20% 40%
印刷時間: 1h 23m 1h 45m (+22分)
フィラメント: 11.4g 15.2g (+3.8g)
「インフィルパターンを gyroid に変えたらどうなる?」
「印刷速度を 100mm/s に上げて時間を短縮できない?」
このように、AI と対話しながら設定を少しずつ調整していけます。
目的: PLA と PETG で同じモデルをスライスして、結果を比較したい。
「PLA と PETG のフィラメントプロファイルを見せて」
「同じ benchy.stl を PLA と PETG でそれぞれスライスして。 出力ファイル名は benchy_pla.gcode と benchy_petg.gcode にして」
「両方の結果を比較して。印刷時間とフィラメント使用量の違いを教えて」
AI は順番にスライスと分析を行い、比較結果を表形式で示します。
目的: OrcaSlicer にはどんな設定項目があるのか、AI の力を借りて理解したい。
「速度に関する設定を全部探して」
AI は search_settings で "speed" を検索し、
すべてのプロファイルから速度関連の設定を抽出します:
プロセス設定 (standard_quality.json):
- print_speed: 60
- travel_speed: 120
- infill_speed: 80
- wall_speed: 40
- support_speed: 50
- ...
「wall_speed と print_speed の違いは何?」
AI は 3D プリンティングの知識を使って説明してくれます。
「温度関連の設定をフィラメントプロファイルから探して」
フィラメント設定 (PLA Generic.json):
- temperature_nozzle: 210
- temperature_bed: 60
- temperature_nozzle_first_layer: 215
AI は search_settings を使って適切な設定キーを見つけてくれるので、
正確なキー名を知らなくても大丈夫です。
- 「インフィルを増やして」→ AI が
infill_densityを特定して変更 - 「もっと速く印刷したい」→ AI が速度関連の設定を探して提案
- 「ベッドの温度を上げて」→ AI が
temperature_bedを特定
設定変更はデフォルトで _tuned コピーに保存されるので、
元の設定はいつでも使えます。
「元の設定に戻してスライスし直して」
AI は元のプロファイル(_tuned がついていないもの)を使ってスライスします。
「今日の変更履歴を見せて」
作業フォルダ内の tuning_history.log が参照されます。
このサーバーは、AI が以下のサイクルを自律的に回せるように設計されています:
1. 探索 (search_settings)
↓ どんな設定があるか理解する
2. 調整 (update_profile_setting)
↓ パラメータを変更する
3. 実行 (slice_model)
↓ スライスして G-code を生成する
4. 評価 (analyze_gcode_metadata)
↓ 結果を数値で確認する
5. 判断
↓ 目標に近づいたか?→ 2 に戻って再調整
例:
「印刷時間を 1 時間以内に収めたい。 品質をなるべく保ちながら、速度やインフィルを自動調整してみて」
AI はこのサイクルを繰り返し、目標に近づく設定を探索してくれます。